骨粗鬆症なのですが、インプラントはできますか?
投稿日:2025年11月24日
カテゴリ:スタッフブログ

スタッフブログをご覧のみなさまこんにちは!
蕨歯科クリニック歯科医師の近藤です。
日増しに朝晩の冷え込みが強くなり、冬の訪れを感じる季節になってきました。
年末年始は多くの歯科医院がお休みになるとともに、混雑する時期となりますので
お口の早めのチェックをおすすめします。
さて今回は皆さんからいただいた質問をご紹介したいと思います。
>>蕨歯科クリニックによくある質問コーナー Q&A vol.168
Q.骨粗鬆症なのですが、インプラントはできますか?
A.可能です。ただし、注意点もあります。
もう少し詳しくお話しします。
骨粗鬆症は骨密度が低くなることで骨折が起こりやすくなる病気で、その治療として
ビスホスホネート(BP)やデノスマブ(DMB)などの 骨吸収抑制薬 が使われます。
これらのお薬には 稀ではありますが、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)という副作用があり、
歯周病、残根感染、抜歯、インプラントなどが引き金になって発生することがあります。

発症率については、
抜歯で約0.9〜1.2%(Yoo et al., Clin Oral Investig. 2025)、
インプラント治療で約0.5% (Mirza et al., Endocr Pract. 2025 / 21コホートのメタ解析)
と報告されています。
また、米国口腔外科学会(AAOMS)の2024年更新ガイドラインでは、
“骨粗鬆症のための低用量BP/DMP治療ではインプラントは基本的に禁忌ではない"
と示されています。(がん治療での高用量静注使用者はインプラントは推奨されません)

以前は3年以上薬を使っていたら休薬すべきという考え方が一般的でした。
しかし現在の国際ガイドラインでは休薬を原則として推奨していません。
発症の可能性が低いため過度に恐れる必要はありませんが正しい知識を元に
治療を選択する必要があります。個人個人の状態によってリスク等も変わります。
そのために、自己判断せずに必ず専門家に相談をしましょう。

当院では骨粗鬆症の全ての患者さん(インプラント治療に限らず)にかかりつけの病院へ
お手紙をお出しして連携をとり、安心して治療を受けていただける環境を整えております。
そして歯科治療に際して、骨粗鬆症の患者さんへの治療プロトコール(診療手順)を遵守して
術前投薬などを行い、更にリスクを下げて診療をしております。
当院では骨粗鬆症の方への多くのインプラント症例の実績もございますので
気になる方は一度ご相談ください。
蕨駅前 予防歯科を中心に小児、審美、入れ歯、インプラントの先進治療まで
丁寧なカウンセリングを大切にする街の歯医者さん「蕨歯科クリニック」
■ 他の記事を読む■



